「ピラティスを始めたのに、体重が増えてしまった…」と感じている方はいませんか?
実は、これはよくあることで、心配する必要はありません。この記事では、ピラティスを始めたことで体重が増える理由と、その対処法について、わかりやすく解説します。
ピラティスで体重が増える理由
筋肉量の増加
ピラティスは、見た目以上に「筋肉をしっかりと使う」トレーニングです。
特に鍛えられるのは、体の奥にあるインナーマッスル(深層筋)。
これは、姿勢を保ったり、内臓を正しい位置に収めたり、日常の動作を支えたりと、体の根幹を担う重要な筋肉群です。
筋肉は脂肪よりも密度が高く重いため、同じ体積でも筋肉の方が体重としては増えます。
そのため、脂肪が減って筋肉がつくと、見た目は引き締まっているのに体重が増える、ということが起こりやすいのです。
実際、ピラティスを8週間継続したある研究では、筋肉量の増加と同時に体脂肪率の低下が確認されています。
つまり、数値的な体重増加は「体の質が良くなっているサイン」ともいえるのです。
特に運動習慣のなかった人や初心者が始めた場合、このような変化はごく自然なこと。
数字よりも、体の引き締まりや動きやすさといった「実感」を大切にしましょう。
体内の水分量の変化
筋肉は水分を多く含んでいます。ピラティスによって筋肉量が増え始めると、それに伴って体内に保持される水分量も一時的に増加します。
この「水分量の変化」も、体重がわずかに増える要因の一つです。
また、運動によって筋肉に微細な損傷が生じると、それを修復するために水分や血流が一時的に集中することもあります。
これもまた、運動初期によく見られる自然な反応です。
重要なのは、これが脂肪による体重増加ではないということ。
むしろ、筋肉が活性化してきた証とも言えるため、必要以上に心配する必要はありません。
数日〜数週間で体が慣れてくると、この一時的な水分増加も落ち着いてきます。
定期的に体組成計を使って、「体脂肪率」や「筋肉量」などの項目を見ることで、より正確な体の変化を把握することができます。
姿勢の改善による見た目の変化
ピラティスは、姿勢を改善するための非常に効果的なエクササイズです。
背骨の正しいアライメントや骨盤の安定を意識しながら動くことで、無駄な力を抜きながら体を整えていくことができます。
姿勢が改善されると、自然と胸が開き、背筋が伸び、下腹も引き締まりやすくなります。
この結果、実際の体重が変わっていなくても「痩せて見える」という変化が生まれます。
多くの人が見落としがちなのが、「数字よりも見た目の変化のほうが周囲には伝わりやすい」という点です。
ピラティスを続けていくと、顔立ちがスッキリしたり、洋服のシルエットが変わったり、小さな“見た目の変化”が少しずつ積み重なっていきます。
「体重が落ちていない=成果が出ていない」と思いがちですが、ピラティスの場合はむしろ逆で、“見た目が整う先に、数値の変化がついてくる、と捉えるのが適切です。
ピラティスの効果を最大限に引き出すために
せっかくピラティスを始めたのに、「あまり変化を感じない」と思ってしまうのはもったいないことです。ピラティスは“続け方”や“取り入れ方”次第で、効果に大きな違いが出るエクササイズです。
ここでは、ピラティスの効果をしっかり実感するための3つの重要なポイントをわかりやすくご紹介します。
定期的な運動
ピラティスは、短期的な“即効性”というよりも、続けることで体が内側から変わっていく運動です。
週1回だけでは効果の実感が遅れることもあるため、週2〜3回の頻度で継続的に取り組むことが推奨されています。
✅ こんな変化が期待できます:
・筋肉量の増加 → 基礎代謝アップ
・脂肪燃焼の効率化 → 体脂肪率の低下
・姿勢改善や柔軟性向上 → 見た目の美しさにも反映
実際に、ある研究では12週間のピラティス継続により、筋力の有意な向上と体脂肪率の減少が確認されました。
これは、決して一夜にして得られる成果ではなく、“定期的な努力の積み重ね”がつくり出す変化です。
▶ ポイントまとめ:
最初の2〜3ヶ月は“土台作りの期間”と捉える
通いやすい時間帯を決めて習慣化しやすくする
グループレッスンと個別セッションをうまく使い分ける
食事の見直し
どれだけ運動を頑張っても、食生活が乱れていては効果が半減してしまうのが現実です。
ピラティスを通じて代謝や筋肉の働きを高めるなら、それを支える栄養の質とバランスにも目を向けましょう。
✅ 意識したい栄養ポイント:
・タンパク質:筋肉の修復・成長に不可欠。鶏むね肉、卵、大豆製品などを意識して摂取
・ビタミン・ミネラル:代謝や筋肉の働きを助ける栄養素。緑黄色野菜や海藻を積極的に
・糖質・脂質:過剰摂取に注意しつつ、エネルギー源としての役割も忘れずに
特に、ピラティス後のリカバリーには20〜30分以内の軽いプロテイン摂取がおすすめです。
また、「運動したから少しぐらい食べても大丈夫」という油断が、効果の実感を遅らせてしまうことも。
▶ ポイントまとめ:
3食きちんと食べる+間食の質を意識する
運動後の栄養補給タイミングにも注意
「低カロリー」よりも「高たんぱく・高栄養」を重視する
体重よりも体脂肪率に注目
ピラティスを始めて体の引き締まりを感じても、体重があまり変わらないことがあります。
それは、筋肉量が増えて脂肪が減っていても、体重としてはほとんど変動しないことがあるからです。
✅ なぜ「体脂肪率」が重要?
・筋肉は脂肪より重いため、体重だけでは変化が見えづらい
・見た目の引き締まりやウエストラインの変化は体脂肪の減少が反映された結果
・体脂肪率の減少+筋肉量の維持・増加こそが理想のダイエット成功パターン
このため、体重だけに注目するのではなく、体組成計を使って体脂肪率や筋肉量も定期的にチェックしましょう。
週に1回、同じ時間・同じ条件で測ることで、信頼できるデータが得られます。
▶ ポイントまとめ:
「見た目が変わった」と感じたら、それが効果の証
体組成計を活用して、変化を数字で可視化
体重が減らなくても、焦らず長期的視点で判断する
まとめ
ピラティスを始めて体重が増えたと感じるのは、筋肉量の増加や体内の水分量の変化によるものです。
これは、体が健康的に変化している証拠であり、心配する必要はありません。
定期的な運動とバランスの良い食事を心がけ、体重よりも体脂肪率や見た目の変化に注目しましょう。ピラティスを継続することで、健康的で引き締まった体を手に入れることができます。

